まずは「どろろ」の方。私はこのアニメのファンだったので、実写化するという段階で期待半分・不安半分……なんて生易しい割り合いではなく不安ばっかりがグォォッと押し寄せてきたんだが(笑)、実際観てみたらワリとイイカンジでホッとした。まぁ細かいケチつけたらキリが無いので、大分オマケしてる感想ですけども。そもそもが映像化するには奇想天外過ぎるキャラ設定とストーリーなので、いちいち「ホンモノっぽくない」だの「嘘臭い」だの文句言い始めたら映画なんて何も楽しめないですからね。まして素がマンガの世界なんだから、嘘で当たり前なんだし。
百鬼丸の妻夫木聡も、どろろの柴咲コウも想像してたよりハマっててヨカッタよ〜(多宝丸が瑛太……っていうのは違う気がしたけど)。欲を言えば、百鬼丸はもっと哀しくてすさんだカンジが欲しかったし、どろろはもっと幼い子がベストだと思うけれど「じゃあ今活躍してる役者さんで誰が演ればヨカッタの?」との問いに答えるのはなかなか難しい。ブッキーもコウちゃんも与えられた役割をシッカリ演じ、でしゃばらずに「どろろ」の世界観を忠実に演じてたと思います。ブッキーに関して言えばこの映画で見た姿が私的には一番カッコよく見えたよ。少なくともペプシのCMより百倍はイイかと(あのCMに出てくる人は全員ヒドイ)。
映像的にはニュージランドでのロケが効いちゃってて、日本の湿度の高い煙った空気の再現には至っておらず、ワリとスカッと抜けのイイ景色になっちゃってて惜しいカンジがした。数年前に発売されてるゲーム「どろろ」の方のビジュアルに酷似してるので、あのゲームのファンならば普通に満足出来ると思います。CGもゲームと同レベル。ただワイヤーアクションが軽くって(笑)、時代劇の緊迫した鍔迫り合いというより、チャンバラって言葉が合う気がした。続編も作るらしいから、その時にはもうちょっと重さが欲しいかも。
次に「NANA」の方ですが、こっちは原作マンガは未見。ただ「矢沢あいのマンガ」の世界というのは知ってて分かるので、原作ファンの人には申し訳ないですが、あの世界観はともかく登場人物達を生身の人間が演じるのは相当無理あるだろう、ぜったい変だろうなぁと、邪(よこしま)な好奇心だけで観てみたかった映画です(笑)。ところがですね、実際観てみたらコッチもワリとイイカンジだったのよ。ヒロイン「ナナ」の中島美嘉は台詞は下手だが、キャラ作りは完璧(本業が歌手だから当たり前だが)だったと思うし、もう片方の「奈々」の宮崎あおいの方もウザキャラを見事に演じきっててヨカッタです。他のキャストに関しても原作を知らない私が見ても「うわぁ矢沢あいのマンガに出てきそうなタイプだなぁ」と歴然だったので、恐らくビジュアル的にもマッチしてたんじゃないかなぁ?
ストーリーは観てるコッチがおばさんなので(笑)もう遥か遠い昔の少女漫画の世界“狭いコミュニティの中のあちこちで恋愛が始まったり切れたりする様子”を「これでもか」と見せられるので、こっ恥ずかしいやら甘酸っぱいやらでムズ痒いんだけど、でも女は誰しもそーゆー「恋愛至上主義」の瞬間を通り過ぎてオトナになるものなので共感は出来ます。酷く距離感のない女同士の友情も、女目線で見れば納得かと。
映像に関してはスゴク忠実に再現する事に頑張ったんじゃないだろうか。衣装、美術セット(二人のナナが暮らすアパートの内外や蓮の部屋など)はキテると思いました。ライヴシーンも、いかにも感が出てた。よほど原作の「NANA」の熱狂的なファンかこだわりの職人気質のスタッフがいたんじゃないだろうか(笑)。それくらいパンパなくカッコイイ世界を見事に創り上げてたと思います。素晴らしかったです。こっちも続編があるんだよね?衣装と美術セット見たさに借りてこようかな?
「どろろ」は原作を下敷きに上手に映像実写化したエンターテイメント作品。「NANA」は逆に現実の役者さんたちをマンガの世界にギュッと押し込んで型にスポッとはめこんで恐ろしいほど原作の雰囲気を「そのまま」映像化することに気を遣った映画って気がしました。前者のアプローチは普通ですが、後者のアプローチは異常です(笑)。でもドッチも私は楽しめたよ。うむ満足じゃ。
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