まず『フラガール』の方。この作品で彼女いっぱい賞など貰ったので、どんだけスゴイ演技してるのかと期待して観たら、ワリと普通で(っつったって勿論トテモ上手ですけど)拍子抜けした。ダンスの練習たくさんしたんだろうなぁ大変だっただろうなぁと思う反面、主役なんだしこの役貰ったからにはやらねばならぬ状況に追い込まれるワケで、だったらこのくらい踊れて当たり前という気がするから特別な評価はしない。あの子って可愛いけど、若いのに女の「毒」とか「暗」とかの部分を現すのではなく匂わせることの出来る特異な「華」を持ってる気がするので、「普通の女の子」の「普通の感情」を見せるだけの役柄では物足らん気がするのですよ。見るからに良い香りのしそうな薔薇ではなく、見た目パッとしないのに近づくとやたらイイ匂いを放ってる野草の味わい。饒舌な台詞(言葉)でなく、目で演技して欲しいなと。そういう意味でちょっと食い足り無さを感じた作品でした。
それよりこの作品で母親役やってた富司純子がベラボウに巧い。勿論ワキなのでチョイとしか出ませんが、やっぱり出てくると絵が締まるし説得力あるのよ…つーか女優って「こうなんだなぁ」とアリアリと見せつけられて感心した。それと松雪泰子も「らしくて」ヨカッタと思います。余談ですが、私は他人から「松雪泰子とイメージが被る」と昔から言われます。顔そのものが似てるとは思いませんが、人が私に抱くイメージとしてハズレではないかもしれないと心当たりはある…かも(笑)。
さて、話がズレたが元に戻そう。
そんな蒼井優びいきの私の視点から観た『リリイ・シュシュのすべて』はまさに「ネ申」。主役でないポジションにいながら、蒼井優の演じた詩織の出てくるエピソードの随所で見れる彼女の様々な表情は私には納得のいくモノであった。時折ピッと走らせる視線の動きの機敏さと強さに痺れます。14才の少女の無邪気さと曖昧さと残酷さ、どれをとってもリアルに見えた。作品の中カイトを操るシーンでの笑顔が果たして「蒼井優」の素なのか「詩織」としての演技なのか考えるだけで悩ましく心揺さぶられた。あまりに屈託のない幼な子の笑顔で。
作品はこれはもう賛否両論というか……とんでもなく暗く陰湿で残酷な「中学生日記」(笑)なので、万人受けを視野になど入れられるハズもない愚作(褒め言葉)ですからまったく人に薦められないシロモノなのですが、個人的な意見と感想を述べますとこの映画、私はメチャクチャ気に入りました(笑)。もう救いようないし、ご都合主義で、極端で、こんなの撮って世に放出しちゃダメじゃんってな作品だと……私の中の「大人」が思う反面「あぁ〜なるほど……この空気感。空虚感。閉塞感。音、色、光、美しく残酷なまさに14才の世界。まさかここで再び14才のモヤモヤを追体験してしまうとは…」とウキウキ理解しちゃう自分もいるんですな。ウキウキ出来るような内容の作品じゃないのに(笑)。例えばかの「エヴァンゲリオン」を見て「なにこれちっとも良くないじゃん。どっから話が始まるのかも、終わりも無いし、全然わかんない」という人がいるように、この映画は理解できちゃうか出来ないかで評価が真っ二つに分かれると思います。エヴァと同じく中途半端な感想が出せない作品。インディーズの映像作家だった頃からの岩井俊二の撮る“説明のない世界”を「リアル」だと捉えられる人ならばこの作品は好きかも知れない。キレイなニセモノの世界を受け入れられる人なら、この映画の「内容が陰惨なクセに何故か癒され感がある」というアンビバレンツにウットリかと。岩井俊二当人も「遺作にするならコレを」というだけのグダグダなどん詰まり感がこの映画にはいっぱい漂ってます。試しに観てみようか…なんて生易しい決意で観れるほど甘くない長時間作品で、観てしまえば良くも悪くも「残る作品」ですので、悪いほうで後を引いたらマジ最悪なので(笑)ホイホイ人にお薦めできないところが痛いですね〜。
蒼井優ちゃん、この二作品より現在はまたいちだん大人の女性になって、多忙のせいか激痩せして見えるのがチョット気になります。「蟲師」の時も細かったもんなぁ。某プリンターのCMも折れそうに細く見える。もちっと肉が付かないと女として何かと不都合が出るので心配。将来を期待してる女優さんなので元気に活躍し続けて欲しいです。
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