私がまだジョシコーセーの頃、出張で新潟に行った父親がお土産に生きてる毛ガニを買ってきた事があったのね。それまでカニと言えば近所のお寿司屋さんに、活きのいいのが入った時に茹で立てを分けてもらうっていうのが定番だった我が家は、実は生きたカニを家に招き入れたのは初めてだったのです。
「わぁ〜生きてるよ。スゲェ動いてるよ」と恐る恐るオガ屑の入った箱からシンクに引きずり出したカニはゴソゴソとステンレスの上で足を滑らせてる。それを微妙な距離からじっと見つめてる猫と私と弟。その隣では大鍋でお湯を沸かす母。そろそろ湯が沸騰するという時、ガタガダガタガターン!!と大きな音と共に私が見たのは華麗に宙を舞うカニ。猫がカニにちょっかい出してハサミで足を挟まれ、慌ててカニごとシンクの上で跳ね上がったのです。
猫はその後「ふーーーーーーっっ!」と膨らんで天井近くの梁まで逃げてしまいましたが、困ったのはキッチンの床に振り落とされたカニです。活きのいいカニだったのか、めちゃくちゃ元気に動き回り、転落のショックで口からは泡をモクモクと出しまくってるんです。想像してみてください。たいして広くも無いキッキンの床の上を白い泡を噴きながらガツガツ走ってる毛ガニの姿を(笑)。さながらモンスター映画のクライマックスシーンですわ!いたいけなジョシコーセーだった私と、愛くるしい幼稚園生の弟、そして美しき母の3人の感じた恐怖感と言ったらもぉ……もぉ…!!
その後、母は強し!ということでなんとかカニを捕獲して鍋でグツグツ煮てメデタシメデタシだったのですが、その夜帰宅した父に3人で「パパ…もう生きてるカニは買ってこないでね。買うなら茹でてあるヤツにしてね。絶対に」とお願いしましたデス。以来ホントに一度も活きガニは買ってません。父以外の家族みんなの立派なトラウマっすよ(笑)。
≪ ・・・・続きをたたむ