前評判通り、まったく目立たないバッドマンの存在と非対称の極悪ジョーカーのハンパない存在感の圧倒的な「差」が光ってましたね。ジョーカーのキャラクター描写がとにかく強烈なのだ。結果的に「あの◯◯役の人、主役を食っちゃって、◯◯の映画になっちゃったね」みたいな作品はたまにあるけど、これはもうハナからそのつもりだろう。この映画の主役は完全に「ジョーカー」で間違いない。過去にもジョーカーが登場したバッドマン作品は数あるが、そのいずれも「悪人(怪人)」になったそれ相応の理由や動機が描かれていた。それは悲しい過去だったり、トラウマだったり…何かの「きっかけ」の延長上に「悪」が存在していたと思う。が、今回の「ダークナイト」に登場するジョーカーには明確な「理由」が見当たらない。ジョーカーは金でも名誉でもなく、ただただ「混乱が見たい」というだけの理由で、無差別に人々を混乱させ、世の全てを闇に染めてしまう事に「喜びを感じる」テロリストとして描かれる。それはもう凄まじい「狂気」「絶対悪」。これがヤヴァイくらい素敵過ぎるの(笑)。→映画のレイティング←を、この映画に関して言えば「R-15指定」してもイイんじゃないかと思ったくらい「悪の魅力に満ちてる作品」なのですよ困った事に(笑)。ウットリするほどジョーカーには「カリスマ性」があるのですよ。行動力があってお茶目でキュート、ユーモアもあり知性もたっぷり、度胸も強さも隠さずストレートに伝わってくる。これはバカな子供だったら「テロリストになるのもイイな」なんて考えちゃうかもしれんじゃないか。これはけしからん(笑)。けれどバッドマンが「まず何か犯罪が起きてから行動する」のに対し、好き勝手なタイミングで次から次へとお構いなしに犯罪を仕掛けられるジョーカーでは、どう考えてもジョーカーの圧倒的な行動力の方が、ハタから輝いて見えるのは仕方ない事。生き生きとして見えるのは事実。猫と子供とけろすけさんは「動いてるもの」に目がいっちゃう生き物だから、そりゃジョーカーに萌え萌えしちゃうんだなコレが(笑)。
この作品の公開を待たずに若くして死んでしまったジョーカー役の「ヒース・レジャー」の鬼気迫る演技は評判以上、予想以上でした。「憂いを含んだ狂気」を匂わせることの出来る数少ない役者だなと思えた。変な言い方だけど「清潔感のある悪」がちゃんと成立してた。いっくら悪人といえどもリアル追求し過ぎて顔を背けたくなるような「悪人」では絵的にはNGだと思うんですよ、映画だから。2時間じっと見つめ続けられる存在でなけりゃ困るんです。生理的な問題として。そーゆー意味で、きっちり悪を演じつつも、最低限の清潔感(笑)を持った彼は「希代の悪」を演じるに相応しかった。だから物凄く悔しいです。腹立たしいです。もっと生きて、次回作のジョーカーも演じて欲しかったし(どう見ても次回作を考えての作品でした。次に繋がるプロットがたくさんありました)、別の映画作品で彼の演じる「悪役」をもっと観たかった。彼の存在を知った喜びと、もう二度と見れないという喪失感が同時に来るという……たまらない作品ですねこれ。そういう意味でも忘れられない作品の1つになりそうです。私と同じ趣味の人なら超絶オススメ。観なきゃ損。
点数は99点(死んじゃオシマイよの−1点)。
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