おがたけん(緒形拳)

大好きな役者が逝ってしまった。緒形拳。すぐに脳裏に浮かぶのは、必殺仕掛人の藤枝梅安、そして個人的には映画『火宅の人』の桂一雄(檀一雄)である。前者は俳優としての彼の演技力を世に知らしめた作品として、後者は「堅物」で知られていた彼が、作家檀一雄の破天荒な生き方を見事に演じきった傑作として、心に残る。

今朝のテレビは一斉に彼の死去を報じ、つい先日行われた10月からの新番組「風のガーデン」制作発表会見の様子を流していた。そこで彼はドラマの内容に触れ、「否応なく人は老いて... 病んで...そして否応なく死が訪れる...」と語っていた。彼は自分の死期を悟っていただろうか。おそらく、悟っていたのではないか。だとすれば、重く、切実な言葉だったはずだ。そして、そのコメントを語る彼から、私は彼の最後のメッセージを受け取ったような気がした。

ゆっくりと、ゆっくりと「否応なく...人は...老いて...」と語り、次の言葉を選んでいる時である。彼はすっと、背筋を伸ばした。姿勢を正してから次の言葉「否応なく...病んで...」と続けたのである。「俯いてはいけない」と、思ったのではないか。「俯いてはいけないのだ」と伝えたかったのではないか。私にはそう見えた。そしてコメントの最後に「有り難うございました」と一言。

こちらこそ「有り難うございました」と伝えたい。男という生きものの激しさ、やさしさ、だらしなさ、そして潔さ、全てを鮮やかに見せてくれた俳優として、彼は私の中で輝き続けるだろう。

ふつうかわせ(普通為替)

【任天堂オンライン販売お問い合わせ窓口】宛メール

これは問い合わせではなく、意見です。

本日、DS用の充電池を購入するために初めて郵便局で「普通為替」なるものを購入しました。
1905円の商品代金を支払うのに、発行手数料420円はあまりにも理不尽。切手代を入れれば500円です。何故このような支払い方法しか選択肢が無いのか、全く理解出来ません。

「定額為替」(2000円)にすれば、こちらの支払う手数料は200円で済みますね?それを期待しているのですか?日本郵便と結託した「商売」ですか?フィードバックでもあるのですか?
せめて銀行振込(ゆうちょ銀行振替を含む)の前払い、もしくはクレジットカード決済を利用出来るようにするべきではありませんか?

今まで任天堂という会社に対して抱いていた信頼感が、かなり損なわれました。

以上

きたじまこうすけ(北島康介)

世界のカエラーを代表する「蛙王」。強い人。「東京下町」の英雄。

もう説明の必要はありませんね。2008年北京オリンピック男子100m平泳ぎの金メダリスト、そして世界記録保持者。まだ200mが残ってるけど、感動が薄れないうちに書いてしまおう。

「チョー気持ちいぇ」「なんも言えねぇ…」...彼の魅力は、その正直さ、分かりやすさだと思う。前回の金メダルの後、彼はずっと苦しんでいたよね。「燃え尽き症候群」なんて、勝手に周りでささやく人も居たけれど、彼の苦しみは彼にしか分からない。世界の頂点に立つなんて、想像は出来ても体験出来ない事だから。不貞腐れているような様子を見せた事もあったし、皮肉交じりの言葉で自分を詰る事もあった。彼はそれをそのまま隠さなかった。隠せなかった。彼にクールな、優等生的なものを求めている人には不快だったかも知れないけど、私にはその人間臭さがとても魅力的に見えた。東京下町の悪ガキが「面白くねぇ」と吐き捨てているようで、ある意味痛快だった。

そんな苦悩の中、ある日、ある時、彼の目が変わった。「糞この野郎」という目になった。その変化も実に分かりやすく、はっきりと伝わってきた。彼を変えたのは、彼を追い越していくライバルの姿だったかも知れないし、コーチの励ましや、水泳教室で子どもに言われたささいな一言だったのかも知れない。それも彼にしか分からない。ただ彼は「もう一度やってやる」という意思を、体中から迸らせた。鳥肌が立つような感動を与えてくれるドラマの始まり...。

彼はこれから何をするのだろう。競技者として勝負を続けるのだろうか。それとも違う世界に進むのだろうか。彼を求める人は多いはずだ。CM出演、TV解説者、指導者...多くのアスリートが歩んだ道を、彼もまた進むのだろうか。どんな道であれ、彼にとって素晴らしいものでありますようにと祈らずにはいられないけれど...私の個人的な願望を最後に。

北島、肉屋のおやじになってくれ。

ダメかな。西日暮里「肉のきたじま」で、北島康介がステテコ姿で「メンチカツサンド」を売る。妙に似合うような気がするんだけど。子供たちとの水泳教室を続けながら、「うまいッスよ、チョーうまいッスよ」とメンチカツを売る北島。何年か経って、彼を知る海外の元ライバル達が「キタジマは今何をしてる?」と質問する。そしてそれに「彼は肉屋でメンチカツを売っている」と、胸を張って答えたい。「おわっ?(What?)」と彼らはもう一度問い直すだろう。そしてこちらももう一度「肉屋だよ、肉のキ・タ・ジ・マ」と答えたい。彼らは「わい?(Why?)」としばし沈黙した後、きっと笑顔になると思う。

ぜったいかれし(絶対彼氏)

様々な部分が調和して、美しい全体が出来上がる様子。
(反意語:薔薇のない花屋)

いいドラマでした。特に最終話は、最近のドラマの中では極めて秀逸な出来栄えだと思います。原作やキャストも優れていたのでしょうが、何と言っても脚本・演出によるテンポの良さが光りました。

原作を知らなくても、ドラマが最終回に近づくにつれて誰もが「ああ、きっとこういう終わり方をするんだろうな」と読めたはず。その予想通りに物語は進行し、終わり、そしておそらく誰もが、思っていたより心を揺さぶられたのではないでしょうか。

天城ナイト(速水もこみち)が死んでしまう「その時」に近づいていく加速感。それまでゆったりと流れていた川が、滝に向かって急流になっていくような緊迫感。その流れの中で強くなっていく梨衣子とナイトの絆、希薄になっていく創志の存在、それぞれの思い、みんなの笑顔、祝福、願い...そして「その時」。

もっと描いておきたい風景や、掘り下げておきたい人間関係もあったんだと思います。でも、それを省いた。省いたことでこの最終話は見事な交響曲として成り立ったと思います。

Bravo!

いのり(祈り)

過酷な現実に打ちのめされた人間が、無駄と知りつつ行う儀式の事。砂漠に水を撒く行為に似ている。祈りは何処にも届かずに宙を彷徨い、神と呼ばれる残忍な存在によって定期的に消去される。

だが、私も祈る事はある。

先日、買い物に行った近所のショッピングセンターで「福引き」が行われていた。「お買い物3,000円以上で1回」あの「ガラガラ」を回せる。1等から4等までが当たり(お買い物券)で、その他にも特別賞があった。
会場はものすごい数の人である。ただでさえ人間の多い場所の嫌いな私が、苛々しながら行列に並んでいたのは言うまでもない。1分で50cmくらい、前進する。5分で2m50cmくらい、前進する。「ガラガラ」まではまだ10mはある。「はぁ...」と思いつつ、夕飯用に買った「ハスの挟み揚げ」をどう食べようか、何をつけて食べようかなどと妄想しながら耐えていた。
すると私の背中にゴツンと当たるものがある。最初は気にならなかったが、そのいやな感触は二度三度と繰り返された。「何なの?」と思い振り向くと、そこには年齢60歳くらいのオバサン。両手を前に出して抽選券を握りしめている。息遣いが荒い。興奮しているようだ。「はて?」と無視をする。1分が経過し、また50cmくらい前進する。するとまた背中にゴツンと、そのオバサンの握りこぶしが当たる...。つまり、私が50cmほど前進する度に、そのオバサンは75cmくらい前進するわけだ。早く「ガラガラ」したくてじっとしていられない様子である。私の苛立ちはさらに高まった。次に「ゴツン」と来た時に、私は体中の「念」を込めて、「殺すぞ」という視線で睨みつけた。だが無駄だった。オバサンの両目は「$$」の形になっている。何も見えてはいない。

ようやく私の番が来た。すっかり消耗した私は「ガラガラ」を回しながら、心から祈ったのである。

「どうかあのババアに当たりが出ませんように...」

ぽぴゅらす(ポピュラス)

同じ事を執拗に繰り返す事を苦にしない性格の事。同義語に「職人気質」「パラノイア」がある。

「印象に残るゲームは?」と聞かれたなら、
『ポピュラス』
『大戦略』
『マッデンNFL』
『グランツーリスモ』
『サイレントヒル』
『バイオハザード』
『ウンジャマラミー』
『ケロケロキング』
『どうぶつの森』
と答える。

どれも名作揃いだが、一つだけ「今」プレイ出来ないゲームが含まれていた。それが『ポピュラス』。遠い昔、パソコン(Macintosh)でプレイしたように記憶している。もしゲーム機用のソフトならば、手放すはずが無い。最初にプレイした時は「何だかよく分からないゲーム」「でもついやってしまうゲーム」という印象。それから数年間、「またやりたいなぁ」と思い続けていたが、不思議な事にリメイクされず、先日ようやくニンテンドーDS版が発売された。

面白い。
やはりこのゲームは面白い。DSの画面の大きさでグラフィック的に制限は多いものの、基本となるシステムは昔のままで、「ああ、懐かしい」「そうそう、昔もこれで困ったんだっけ」とニマニマしながらゲームを続けてしまう。どんなゲームかを知らない人は、下記リンクを参照して欲しい。

http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0803/07/news007.html

このゲームの一番の特徴は、どうすれば勝てるか、どうすれば高得点につながるかが極めて分かりにくい事である。そういう意味では人を選ぶ。いち早く「コツ」をつかんで、その公式に従ってぐいぐいゲームを進めて快感を得るのが好きな人には向かない。むしろ「よく分からない」「分からないけど面白い」「この面クリアしたけどもう一回」と、同じ事を飽きもせずに繰り返す事に快感を見出せるタイプの人にお勧めである。

このゲームは人類の原始的な興亡を単純化して箱庭に詰めたものである。「リアルタイム・シミュレーション」の元祖と呼ばれる事も多い。「よく分からない」「分からないけど...」という感想は正しいのだと思う。それこそが「世の中」のシミュレーションではないか。

ばらのないはなや(薔薇のない花屋)

物事が少しずつ破綻していく様子を表す言葉。
同義語に「台無し」「spoil」などがある。

まず三浦友和が無表情でドラマを壊し、
続けて竹内結子が相変わらずの大根ぶりで引っ掻き回す。
序盤の重苦しい緊張感は何処へやら、
もはや脚本は空中分解して収拾がつかず、
中途半端なコメディにしか見えない。

P.S. 山下達郎さんへ
「あなた」を「あんなんた」と歌うのはやめて下さい。
「何もいらない」を「何もいんらんなんい」と歌われると、
笑ってしまいます。