Photo-Flake(炎暑)
数分間歩くだけで意識が薄れていくような暑さ。体力は汗と共に流れ落ち、気力は秒刻みで蒸発していく。密林の中を歩けば、いつどこからベトコンが襲ってくるかも知れぬ恐怖...あ、違う。
8月15日 青山にて





- by Shirokuman
- 08/31/2010
- ・Photo-Flake・
数分間歩くだけで意識が薄れていくような暑さ。体力は汗と共に流れ落ち、気力は秒刻みで蒸発していく。密林の中を歩けば、いつどこからベトコンが襲ってくるかも知れぬ恐怖...あ、違う。
8月15日 青山にて






子どもの頃から現実逃避を目論んでいた私にとって、夏休みは「ひとり」を楽しむ絶好の機会であった。片付けられそうにない量の宿題に不安を感じてはいても、たまに友達に誘われてプールに出かけることはあっても、毎日学校に行くことを考えれば圧倒的に「ひとり」なのである。朝起きて、今日の予定が何も無いことに充足する日々。自転車に乗って、目的地など決めずにただふらふらと移動し、時折立ち止まっては空き地をぼんやり眺め、そして帰る。その時見た風景の数々は、今でも鮮明に思い出すことが出来る。

私が撮る写真の原風景が、そこにある。
子どもの頃に網膜に焼き付いてしまった風景を、今になって探しているのかも知れない。少しでも同じ匂いがする場所に、あの時と同じようにぼんやりと佇みたいと願っているのかも知れない。
私は何か忘れ物をしてきてしまったのだろうか?記憶の中の水たまりに、青空と白い雲が映っている。

昨日までの吐きそうな曇天が去り、今朝は「夏」を絵に描いたような青空と雲。暑くても、やっぱり晴れた方がいい。植物のように光合成は出来ないけれど、犬のようにビタミン合成も出来ないけれど、太陽の光を浴びることで何かが体の中で生まれるような。
そんな、ささやかな躁状態を打ち砕くかのように、乗り換え駅のホームに響くけたたましいブザー。「線路内に人が立ち入ったため、安全の確認が出来るまで運行を見合わせています」。見合わせているけれど人は増え続けるわけで。見合わせているうちに人は苛々するわけで。10分も経てば、ホームは真っ黒な負のオーラに満たされてゆく。
まぁ、いいか。どうせ遅刻するんだから、のんびり行こうか。
朝の新宿、目に映る順に。





